書評

小説集『Twitter終了』を読んだ感想|Twitterを愛した作家の物語

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今回は、2023年に刊行された書籍『Twitter終了』を読んだ感想をまとめていこうと思います。この書籍は”Twitterを愛し続けた6人の作家”による合同出版で、それぞれが「Twitterなき世界」を描いています。Amazonのページには「たったひとりの人間の思惑によって、居場所を奪われた人たちがいた」とあり、興味をそそられる文面が書かれていました。下記で読んだ感想をまとめていきます。

『Twitter終了』の著者

Twitter終了』を紹介するにあたり、まずは参加した作家さんの紹介をしていこうと思います。6人いるため少し長くなりますが、"この作家さんも参加しているんだ"と思いながら見てくれると嬉しいです。参加した作家さんの代表作も紹介するので時間がある方は、そちらも見てみてください。

青井タイルさんのプロフィール

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名前青井 タイル
活動内容同人サークル青井タイル店を運営・オリジナルのギャグ漫画
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代表作Twitter終了
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足立いまるさんのプロフィール

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名前足立 いまる
活動内容漫画家・イラストレーター・作家
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代表作ひげを剃る。そして女子高生を拾う。
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乙宮月子さんのプロフィール

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名前乙宮 月子
活動内容小説家
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代表作Twitter終了
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根谷はやねさんのプロフィール

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名前根谷 はやね
活動内容小説家
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代表作Twitter終了
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九科あかさんのプロフィール

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名前九科 あか
代表作Twitter終了
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斜線堂有紀さんのプロフィール

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名前斜線堂 有紀
ジャンル推理小説・SF・青春小説・ライトノベル
主な受賞歴第23回電撃小説大賞 メディアアワークス文庫賞
デビュー作キネマ探偵カレイドミステリー
代表作恋に至る病
Wikipedia

『Twitter終了』を読んだ感想

それでは『Twitter終了』を読んだ感想をまとめていこうと思います。ここではひとりひとりの話を少し引用し、その話の感想を書いていこうと思います。作家ごとで違う世界観を1冊の書籍で味わえるというのは、やはり贅沢感があります。では、個人的な感想を見ていってください。

オタクどもの聖霊降臨日

共同生活を経て、コミティア当日まで奮戦を続けてようやく完成した我々の同人誌。この汗と涙と異臭の結晶は、驚くべきことに十三部しか売れなかった。

Twitter終了

色々と訳ありな登場人物らが作り上げた同人誌、それがコミティアで13部しか売れなかったという話。自分は好きな話でした。ネットで知り合った人の同人誌を買うという経験はないからこそ、こういう出来事もあるんだよなと思えることができました。

それじゃあまた、Twitterという天国で会おう。

山田りんご。きっと彼女たちも今頃私と同じように死に際に立ち会っているだろう。ゴオゴオと燃える機械の中で、焼死しているんだろう。大丈夫。きっと同じ天国にはいけないけど、同じ地獄で眠ろう。いいや、ここが地獄で、これから天国で目が覚めるのかもしれない。それがいい。

Twitter終了

Twitterで知り合ったアカウント主が実はAIだった話。これは本当にありえそうな話だなと思いました。というより実際、今連絡を取り合っているネッ友が人間であるという確証はないため、もしかするとAIなのかなと考えさせられる話でした。今はなくても近々、こうなる未来はあるんだろうかと思いました。

近くて遠い二人の距離

この世で一番憎くて、一番憎めない友人へ。私たちはあのころから少しずつ違って、そして今も多分ほんの少し居る場所が違うだけなのだ。「うん、私も美玖と一緒にいて、美玖に会えて本当に良かったよ」

Twitter終了

色々とSNSに載せてしまう友達と、身バレしたくない人の話。現代的だな、という印象を受けるものがありました。最近では食べ物や景色を容易にSNSに載せますが、それから特定してストーカーしてくる人もいるのが現状です。載せたいという承認欲求も分かりますが、自分は身バレしたくない派なので”嫌だろ”と思いました。しかし昔からの仲だからこそ、一緒にいて楽しい時間があるのかなと感じました。

もう一人のあなたを作る方法

「mikan0429」で北見茉莉のアカウントにログインを試みると、あっさりと成功してしまった。二段階認証も設定していなかったし、パスワードがあまりにも単純すぎる。きっと北見茉莉以外にもそういう人間は多いのだろう。自らがそこまで他人に興味を持たれることを想定していないのだ。

Twitter終了

あまり仲良くない人のアカウントを乗っ取り、あたかもその人がまだ生きているかのように呟く話。パスワードを考える素振りが現実的で、本当にこのようなことをしている人は多くいるのだろうと思いました。芸能人はガチガチに設定しますが、自分はあまり見られないと思っている人ほどユルユルなのでしょう。亡くなったけど、その人が呟いているというのは、怖いですが嬉しい気持ちもあるのかなと思いました。

結論から言うと、ツイッターが一番性に合いました

はい。例えばフェイスブックは実名すぎるし、2ちゃんねるは匿名すぎます。ツイッターはその間で、匿名だけど自分があったんです。僕は実名で加害者を名乗る勇気はなかったけど、ツイッターなら、名前を隠しても、僕自身を保ったまま話ができる気がしたんです。

Twitter終了

本当にこの通りで、フェイスブックだと実名がネットに駄々洩れになる恐ろしさがある。2ちゃんねるは匿名過ぎて自分を表現できない。だからこそ、ツイッターが性に合うんだろうなと思いました。自分もツイッターが一番性に合うので、この言葉は共感しました。

Twitterが終了したので、ここでしか繋がっていなかった助手との関係が切れた。

誰かのそんな呟きに笑ってしまう。そこは、どうしようもなくて不安定で、人間の悪意が渦を巻いていて、虚構に塗れている悪い場所だ。絶対無くなってほしくない、今すぐにでも無くなってほしい場所だ。

Twitter終了

矛盾しているけれど、矛盾しているからこそ、愛したいと思えるのかなと思いました。「絶対に無くなってほしくない」と書きつつ、「今すぐにでも無くなってほしい場所」と書く当たり、ツンデレかなと思いました。自分はこのような書き方が好きなので、これから斜線堂さんを好きになりました。

さいごに

今回は、2023年に刊行された書籍『Twitter終了』を読んだ感想をまとめていきました。どうだったでしょうか。6人の作家による、それぞれの世界観を1冊で見れるというのは贅沢ですよね。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”書評”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。

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