今回は、Payaoさんの書籍『僕らは、抱き合いながらすれ違う』を読んだ感想をまとめていこうと思います。この書籍は詩集となっており、キャッチコピーには「希望が見出せない時代に、寄り添う愛の言葉を」と書かれていました。Amazonの説明欄に「現代詩人 Payaoが書く、苦しくて、もどかしくて、だけど愛おしい言葉の数々。「失くしたことで気づける愛」をテーマに、30篇の詩をお届けします」とあり、詩を楽しめる書籍となっています。それでは感想を書いていきます。
『僕らは、抱き合いながらすれ違う』の著者
『僕らは、抱き合いながらすれ違う』を紹介するにあたり、まずは著者の紹介をしておこうと思います。Payaoさんとはどのような人物なのか、どのような作品があるのか、少し調べてきたので紹介していきます。他の著書はないようですが、楽曲があったので、見てみてください。
Payaoさんのプロフィール
Q | A |
---|---|
名前 | Payao |
職業 | 編曲家 / MV監督 / エンジニア / 俳優 / 書道家 / 詩人 |
活動期間 | 2018年 ~ |
写真集 | 「#燃やす写真集:小説 金木犀」 |
Payaoさんの著書一覧
Payaoさんの楽曲一覧
曲名 | リリース年 | アルバム名 |
---|---|---|
運命の刻 | 2021年 | 運命の刻 |
Mosquito | 2020年 | SIDE CAR |
金木犀 | 2021年 | 金木犀 |
酌ハイラプソディー | 2022年 | 酌ハイラプソディー |
Senkohanabi | 2021年 | 線香花火 |
自分がPayaoさんを知ったきっかけはXですが、知る前からこうして活動をされている方なんだと改めて知ることができました。楽曲は、ここに書いているもの以上にあるので詳しくはこちらから参照してください。Payaoさんの曲を聴きながら、Payaoさんの書籍を読む贅沢をしてみるのもいいなと思いました。
『僕らは、抱き合いながらすれ違う』を読んだ感想
それでは、『僕らは、抱き合いながらすれ違う』を読んだ感想を書いていこうと思います。ここでは特に、”この詩が気に入ったな”と思うものを抜粋し、それに関する感想を書いていく形式でいきます。詩の世界にどっぷりハマってみたいという方は、最後まで見ていってください。
天国を創った理由
ねぇ知ってる? 人類が天国を創った理由 綿飴みたいな雲の上に不自然な発光源を見つけたからでしょ? 違うよ 蒸発しない水溜まりと鏡の世界を動く人影を見つけたから? 違うよ じゃあなに? 大好きな人が死んだからだよ。
僕らは、抱き合いながらすれ違う
人類が天国を創った理由を「大好きな人が死んだから」と書けるPayaoさんは、どのような経歴なのかなと気になってしまいました。もしかすると誰か大好きな人を亡くしたとか、大切な人を亡くしたとか、深い人生が関連しているのかなと思うと、ジンとくる言葉でした。
そしていつか必ず訪れる
静かな海に浮かぶ貨物船を日が暮れるまで眺めていた 人を好きになるって怖いね 目が合う心強さには目を逸らす臆病さも含まれていて 取り合った手の温かさはちゃんと別々の身体だからで そしていつか必ず訪れるお別れの日 愛されないことよりも愛することすらできなくなること
僕らは、抱き合いながらすれ違う
「取り合った手の温かさはちゃんと別々の身体だから」という言葉、当たり前なのに詩として読むと考えさせられるものです。自分は自分の人生があって、その人にもその人の人生がある。その2つが混ざり合って、「別々の身体」と表現しているようで考えさせられる一文でした。
その日一番の大きな声
君とデートしたのは二回だけ どちらも雨が降っていた 二回目は渋谷で映画を観たあと歩いて駅まで送った 大きな出来事があった訳じゃないのにその日の細かなことをなんだか覚えてる 気に入った台詞が同じだったことやオリジナルの硝子のアクセサリーのこと 水溜まりを避ける仕草がやたら可笑しかった そのひとつひとつがなんだか嬉しかったんだな 「じゃあまたね」と別れたあと見えなくなるまで君を眺めていた 君はすぐ誰かに電話をかけてその日一番の大きな声で笑っていた
僕らは、抱き合いながらすれ違う
最後の「君はすぐに誰かに電話をかけてその日一番の大きな声で笑っていた」という言葉、どれだけデートをして関係性を深めても、分かりえないものがあるんだよなと思わせられる言葉でした。一緒にいるときは繕った君で、離れてから素の君なのかなと思うと、信頼されていない気がして悲しくなりますね。
道をつくる人
道をつくる人は、道を外れた人
僕らは、抱き合いながらすれ違う
敷かれたレールの上を辿っていくのが人間なように思いますが、パイオニアは道を外れて見た世の中に新たな価値観を生み出したのかなと思いました。進学して就職して、退職して老後生活を送るみたいな人生像ではなく、どこか頭のねじが抜けている人生像を持っているんだろうなと思えました。
さいごに
今回は、Payaoさんの書籍『僕らは、抱き合いながらすれ違う』を読んだ感想をまとめていきました。どうだったでしょうか。短文で読者の心を射止める詩は、凄く奥深いなと感じました。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”書評”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。