映画評論

映画『でっちあげ ~ 殺人教師と呼ばれた男』を観たレビュー

※このサイトはAmazonアソシエイトを利用しています。

今回は、映画『でっちあげ ~ 殺人教師と呼ばれた男』を観たレビューを書いていこうと思います。この作品は、福岡『殺人教師』事件の真相について書かれている書籍『でっちあげ』や漫画『でっちあげ』があるなど、様々な媒体で拡散されている実話のようです。『怪物』と似たような雰囲気でしたが、裁判などで争う場面は斬新でした。それでは、実際に観たレビューを書いていきます。

『でっちあげ』のキャスト一覧

キャスト一覧

役名出演者
薮下 誠一綾野 剛
薮下 希美木村 文乃
氷室 律子柴咲 コウ
鳴海 三千彦亀梨 和也
映画.com

スタッフ一覧

QA
監督三池 崇史
原作福田 ますみ『でっちあげ
脚本森 ハヤシ
企画和佐野 健一
映画.com

『でっちあげ』のあらすじと解説

あらすじ・ストーリー

2003年。小学校教諭の薮下は、児童の拓翔に対する体罰をめぐり、保護者の氷室律子に告発される。週刊誌の記者・鳴海による実名報道で、マスコミの標的となった薮下の日常は崩壊する。一方、律子は550人もの弁護団を結成し、民事訴訟を起こすのだが……

映画ナタリー

解説

2003年に発生した体罰事件を扱った、福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を映画化。児童への体罰で保護者から告発された小学校教師がマスコミの標的となる中、体罰事件が事実無根であることを法廷で証言する。監督は三池崇史。出演は綾野剛、柴咲コウ、亀梨和也、木村文乃、光石研、北村一輝、小林薫ら。

映画ナタリー

『でっちあげ』を観たレビュー

真実が伝えられない

映画全体を通して思ったこととして、「大多数が信じていることが真実になってしまう」という理不尽なこと。当人がどれだけ真実を訴えても大勢が嘘を信じていると、その嘘が真実になってしまうという恐ろしさ。現代社会では誰にでもあり得る話なので、他人事ではないと思いました。勿論、やってもないことを「やった」と嘘を吐いたことも悪いけれど、関係ない人が叩く習慣も可笑しなものですね。

マスコミのクズっぷり

誰かに見られなければ成り立たない仕事だから、閲覧数を稼げそうな事件を見つけたら突っ込んでいくスタイルのマスコミ。その人が本当に悪なのかも分からないまま、悪のように仕立て上げて閲覧数を稼ごうとするやり方には腹が立ちました。「殺人教師」とでっちあげられた人のもとへと行き、その人を感情的にさせるような発言をして、「実は録音していました」みたいな描写がイライラしました。

校長のいい加減な態度

「謝っていれば事は済むから」みたいなスタンスで、やってもないことを「やった」と言わせて謝罪させる場面では胸糞だと感じました。そのくせ自分は定年までぬくぬくと暮らしていくだなんて、虫が良すぎるだろと思いました。当人は「やっていません」と言おうとしているのに、それに被せるかのように「本当にすみません」と言ったりして、1人の人生を壊した自覚はないものかと思いました。

家族がどこに行ったのか

どうして嘘を吐いてまで教師を陥れたかったのか、奥さんの言っていることが嘘だと旦那さんは知っていたのか、息子の精神状態はその後どうなったのか、様々な考えが残されたまま映画は終わってしまいました。「家族の行方については分からない」みたいな感じだったので、今もどこかで暮らしているのかと思うと、少し恐ろしい気持ちになります。もしこの作品がこの家族の目に入ったとき、どういう思いを抱くのだろうとも思いました。目の前の人が話していることを信じすぎないことだと学べました。

さいごに

今回は、映画『でっちあげ ~ 殺人教師と呼ばれた男』を観たレビューを書いていきました。どうだったでしょうか。この記事を通して、この映画に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”映画評論”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。