今回は、西川 美和さんの書籍『スクリーンが待っている』に書かれている名言を紹介していこうと思います。著者さんは、日本アカデミー賞7部門で優秀賞に選ばれた『すばらしき世界』の監督をされた方です。その他、様々な映画だったり書籍もあり、多岐にわたって活躍されているのだと思います。詳しくはこちらを見てみてください。それでは、書かれている名言を紹介していきます。
『スクリーンが待っている』の名言集
映画にハマると
人は映画にかぶれ始めてしばらくすると、監督の名前で観る映画を選ぶようになるものだ。
スクリーンが待っている
映画にかぶれ始めると、監督の名前で観る映画を選んでしまうとのこと。自分はまだそんなことはなく、出演者で観る映画を選んでしまったりします。しかし、その監督にしか出すことのできない味というものに魅了され始めると、監督自身への愛が大きくなるようにも感じました。表現だったり、工夫は監督それぞれで違うので、自分に合った監督を見つけたときはハマるような気がしました。
原作を再現する難解さ
原作のあるものを映画に落とし込むことの難解さ。漫画であれ、小説であれ、それ自体の質が高いほど、密度が濃いほど映画は分が悪い。紙の上の世界と違い、どこまでも時間と金と、視覚、聴覚に縛られた限界の多い表現だから。
スクリーンが待っている
原作のあるものを映像化する難しさは、想像するだけで理解できます。紙の上では表現できたことも、現実では表現できなかったりするわけで、そこで原作のファンがガッカリするのではないか、などの悩みもあるように感じました。また、原作者との意思疎通も図らなければならないので、作品だけではなく、原作者の思いも込めなければならないのだと思うと、相当な労力が必要だと思いました。
20年を迎えたけれど
私は自ら、負け試合のマウンドに向かおうとしているのかもしれない。だけど、映画の仕事に就いて20年目の春である。まだ投げたこともないような試合に出てみたいんだ。
スクリーンが待っている
映画の仕事に就いて20年の著者が、未だ「まだ投げたこともないような試合に出てみたい」と言える業界ということで、飽きのない職業なのかもと思いました。飽きというよりも、「まだ斬新なものを作り出したい」と思えるところが楽しさに繋がっているように感じました。仕事自体を楽しまなければ、こういった言葉は出てこないと思うので、自分の好きなことを仕事にしていて凄いと思いました。
語彙力の乏しさ
語彙は、その人の人生そのものだ。普段使ったことのない言い回し、きちんと意味を捉えていない言葉は、真似て喋ってもその人の発音には馴染まない。
スクリーンが待っている
これに関しては、物書きとして活動している自分にグサリと来るものがありました。尊敬する作家が使っていた言葉を自分も使ってみようとして、著書に混ぜ込もうとしたけれど、あまりにも使い慣れてなさ過ぎて、そこだけ浮いて見えることがあります。日頃から使っているからこそ浸かっていくわけであって、使っていないと浮いてきてしまうのだと思いました。
役所 広司さんの演技
役所さんの出演作を観て必ず思うのは、どんな役もそういう人生を歩んできた人にしか見えないということだ。どれほど専門性の高い難解な台詞でも、口から浮いているように聞こえたためしがない。
スクリーンが待っている
自分が衝撃を受けたのは、『PERFECT DAYS』の役所さんです。トイレ清掃員の日々を撮った作品なのですが、役所さんがトイレ清掃員として生活している人にしか見えなくなってきてしまいました。本当は素晴らしい俳優なのに、この人の人生はこれだったんだ、と思わせられる演技でした。台詞を覚えて言っているというよりも、毎日の生活から出てくる言葉のように見えて、衝撃でした。
さいごに
今回は、西川 美和さんの書籍『スクリーンが待っている』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。