今回は、島本 理生さんの書籍『憐憫』に書かれている名言を紹介していこうと思います。著者さんは様々な賞を受賞されている方で、映像化されている作品も多々あります。恋愛に関しての文字紡ぎが得意なのかな、と思いました。それでは書かれている名言を紹介していきます。
『憐憫』の名言集
不意な笑顔にやられる
彼が人懐こい笑みを浮かべると胸が痛んだ。泥の中で遊んでいた少年がふいにこちらを見て笑ったように。綺麗。なんて綺麗な男の人だろう。洪水のような憐憫がいっぺんに押し寄せた。息もできないくらいに。
憐憫
ここの言葉を見て思ったこととして、男性に対して「綺麗」と思うということは何かしら感情に響いたものがあるからなのだろうと思いました。男性を見た瞬間に「憐憫が押し寄せた」とありますが、相当な感情が流れているのだと分かる描写でした。「息もできないくらいに」と表現するほどなので、よっぽどなのだろうと想像できる書き方が、物書きとして尊敬すべきだと思いました。
音楽もそうだけれど
音楽もそうですけど、短い時間で他人に影響を与えたり、考えを変えてしまったり、たとえば今日もう死にたいと思っていても、その気分ごとひっくり返してしまうような仕事は尊いです。
憐憫
「その気分ごとひっくり返してしまうような仕事」として、ここでは「音楽もそうですけど」とありました。自分は物書きとして人の気持ちを変える文字を紡いでいきたいと思っているので、こういった仕事に当てはまりたいと思いました。感情を揺るがすような文字を書くことは凄く難しいことなので、簡単にはできないですが、いつかこうした仕事として自分が活躍できるといいなと思いました。
恐れないもの
あなたは相手に断られるかもしれないっていう恐れがないよね。若い頃から一方的に好かれたり嫌われたりする世界に慣れすぎて、あなたの中ではもう、拒絶なんて大して意味がないんだろう。
憐憫
「相手に断れるかもしれないって恐れ」がある人とない人では、コミュニケーション力も変わってくるのだろうと思いました。誰かに「拒絶されるのではないか」と不安を抱いている人よりも、「拒絶がどうした」と思っている人のほうがガツガツと人と話すことができそうですからね。拒絶に対して「大して意味がない」と思える余裕が自分も欲しい、と思ってしまう言葉でした。
歳をとっても綺麗
正直、歳をとっても変わらず綺麗なんていうのは幻想だけど、女は誰でも若い頃が一番だっていうのも噓だよ。その顔が最も映える年齢っていうのは人それぞれあるから。
憐憫
女性が可愛らしいのは若い頃かもしれませんが、綺麗になるのはいつか分からないのだと思いました。90歳を超えてから自分の魅力に気付き、そこを引き出して綺麗になる人もいます。20代のうちから魅力に気付き、そこを表現することで綺麗になれる人もいます。その人の顔が何歳くらいで映えるのかは、その人次第なのだろうと思いました。だからこそ、コンプレックスに感じなくてもいいように思いました。
似たような孤独
他人になんて大して興味はないし、浮気にさえ罪悪感をほとんど持てない私だけど、同じような弱さに対してはタガが外れたような共感が溢れ出ることがある。似たような孤独を内包した相手に出会ったときだけ、私は境界線をなくすのかもしれない。
憐憫
「私は境界線をなくすのかもしれない」という表現が、あまり見たことのないものだったのでツンと来るものがありました。浮気に対しても罪悪感を持てなかったのに、似たような孤独を持ち合わせている人と出会ったときだけ、自分の感情を曝け出すのだろうと思いました。「自分と似ているから」という思いが、素の自分を引き出してくれているように感じました。
さいごに
今回は、島本 理生さんの書籍『憐憫』に書かれている名言を紹介していきました。どうだったでしょうか。この記事を通して、この書籍に興味を持ってくれると嬉しいです。このサイトでは引き続き、”名言”の記事を更新していくので随時チェックしてくれると嬉しいです。